経穴-解説

当院の鍼灸治療の基礎となっている理論と考え方を紹介します。

経穴(つぼ)概要

経穴は、重要な神経・血管・筋走行上に位置したり体性-内臓反射等で医学的関連があり、現在ではWHOにおいても治療効果が認められている
中医学、漢方医学的説明では、経穴は「気と血」のエネルギーの通り道であるといわれる経絡上にあって、気血が出入りし、経絡が合流したり分枝したりする経絡状の重要なところである。一般的にはツボと呼ばれ、熟練した鍼灸師が触診すると、微細な陥凹部としてとらえられる。鍼灸で診断や施術をする重要な部位である。

経穴の種類

経穴には正穴と奇穴があり、WHOでは1989年、奇穴のうち7穴を14正経に所属させて361穴とした。

現在、欧米ではアルファベット2字と数字で経穴を表している。たとえば足三里穴はST36である。一方、日本や中国、台湾などでは、昔ながらの漢字による表記がなされている。

経穴に鍼灸等を用いて刺激することにより治療を行ったときに出る現象を皮膚体表内臓反射という。

日本の経穴学とWHO方式

経穴の場所については日中韓で92個のその解釈に微妙な相違が存在した為、2003年からWHO経穴部位国際標準化公式会議が日中韓をはじめとした9カ国2組織が参加して開かれ、2006年に経穴の場所が統一された。
日本の鍼灸養成施設も、2009年からは世界基準に従い、日本の鍼灸養成施設でもWHO方式を採用している

なぜ手と足の経穴が効くのか

ツボ療法の原理は、ツボと内臓との関係から考えられる。ツボとは内臓の疾患が、皮膚の表面への反応として敏感に出てきた所であるといわれている。つまり、このツボを刺激すれば、内臓への働きかけが可能ということになる。
このように体の表面と内部の病態との関係を多くの実例から究明したものをツボ理論という。ツボを刺激すると、それが、脊髄や中枢に伝えられ、それを受け取った中枢はさらに、その先の末梢神経、つまり指先へ刺激を伝えていく。逆にいえば、指先を動かすことによって気血経絡を通して各ポイントを刺激することになり、全身の血行を正常化する。つまり、血液の循環がよくなり、頭の回転が促進され、血液が体のすみずみまで行き届くことになる。したがって、ストレスが自然に解消され、内臓を丈夫にするといわれている

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